hamburger-tech-nits

主にプログラミングのNITSな話

あえて戻るボタンを実装する

iOSAndroidも、OS側で前の画面に戻る仕組みを提供しています。更に、アプリ上部のAppBarは戻るボタンが置かれていることが一般的です。

たとえば、AndroidのGoogleKeepのメモ画面ではこんな画面デザインです。

課題感

一般的なモバイルアプリは、ユーザが画面上部から下部に向かって注意を払い前提で作られることが多いです。OS側で検知できるアクションが多いものの、画面スクロールとタップが操作の中心になります。

しかしOSあるいはAppBarのアクションのみで戻れるUIは、その流れとは別の操作を強いることになります。画面外からのスワイプジェスチャーは他の操作と異なるし、左上の矢印は右手の親指からは一番遠い位置にあり、タップがしづらいと感じます。個人的にスワイプジェスチャーは慣れると直感的でいいと感じるものの、ユーザリテラシーに依存する操作のような気がするし、スクロールやタップに比べると少しコツが必要です。

アイディア

もしこの課題感を解決するなら、画面の最下部にあえて戻る用のナビゲーションボタンを配置するのが良いと考えています。多少実装コストは必要ですが、単純に戻れる以上のUX的なメリットがあるからです。

  1. ユーザ操作にリズムが生まれる
  2. コンテンツの終わりが明確になる

ユーザ操作にリズムが生まれる

リズム と表現していますが、アプリ内で操作に統一感を出すとか、そういった話です。事業の成長に伴いアプリの機能が増えて複雑になる、というのは何処の企業でも発生しうる課題です。それをどうにかして緩和して、如何にユーザに受け入れてもらえるか工夫をするのが、UXデザイナーの仕事だと思っています。

画面の最下部に別画面のナビゲーションを追加することで、先程書いた

ユーザが画面上部から下部に向かって注意を払い

という流れがより強化され、ユーザはシームレスに次のステップに移動することが出来ます。

Webでは行き止まりが無くなるように工夫しているプロダクトをよく目にしますが、モバイルアプリに関してはこの考え方が浸透しきっていないように思えます。toC系サービスだとおすすめの〇〇とか関連〇〇のようなものを表示していることがありますが、toB系ではとあるステップの最後の画面が出来た段階で検討が終わり、ユーザが頑張って最初に戻る操作をすることを暗黙的ルールになっていることも多いのではないでしょうか。

このあたりの課題が簡単なコンポーネント一つ追加するだけで解決できるなら、たとえ重複している機能だとしても実装の納得感があります。

また、とあるタスクの実行するモーダル画面では画面最下部に OK キャンセル 的なボタンを配置していることが多いです。画面最下部にアクションボタンを置くことは、こういったUIとの親和性もあり、統一感を出すことに繋がります。

コンテンツの終わりが明確になる

いつ終わるのか分からないコンテンツを見ることは、ユーザにストレスを与えます。一般的にそれを解消するためにスクロールバーを表示することが多いですが、ナビゲーション用のボタンを設置することで、ユーザはページの終わりを認知し、より達成感を感じられるようになります。

追加読込するリスト画面が多いアプリを操作している場合、ユーザは所見の画面の画面下部で追加読み込みの可能性を考えます。その時、明確に終わりを教えてあげることも、ちょっとしたサポートに繋がります。

まとめ

必ずしも必要ではないものの、あったらより良くなりそうなナビゲーションボタンを提案してみました。プロダクトの性質によってページの回遊をどのくらい重視するかは変わると思います。今よりもちょっと回遊を増やしたいときのオプションとして、検討してみてはいかがでしょうか。