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主にプログラミングのNITSな話

「Deep Skill ディープ・スキル――組織と人を巧みに動かす 深くてさりげない「21の技術」」を読んだ

組織の一員として組織の力を最大限活用するために必要な所作や心得のようなものを21の技術として紹介されていた。確かに会社で成果を出せている人ほど身につけていそうだと思った一方で、その行動一つ一つがちょっとずつ自分のストレスの原因になりそうなので、見た目よりも難しい気がする。

例えば目的合理性に徹するという話。これは聞く限り正しいが、そのために自分の感情を押し殺す場面もありそう。過去に自分の取り組みのはしごを外してきたにも関わらず、軌道に乗ったのがわかった瞬間に手のひらを返した同僚を受け入れた、というのが紹介されていた事例。自分がその場面にいたとしても正しい反応をできる気がしない。正しいことを言っているのはわかるけど、別の感情に邪魔をされそう。他の技術の事例でも、裏切ったり敵対してくる人間をうまく捌いて取り込んでいく過程を紹介されている気がして、本来仕事はそういうものだと思いつつ考えると辛い。そもそも人と向き合う仕事は自分に向いていないのだと言うことも再確認した。

ただそんな事を言ってられない年齢であるのも自覚していて、今これを読めたことはラッキーだったかもしれない。事前に準備することで対応できるシチュエーションが増えそう。

個人的には、使命感が最強の武器であるというのがしっくり来た。たいそれた物ではないが元々似たような感情は持っていて、今までその使命感を元に行動指針を決めてきたということが大きい。その使命感と方向性が似ている職種・会社・仕事を選択しているので、かなり納得感がある。てっきり怒りがベースだと思っていたけど、怒りも使命感の副産物だと考えるとポジティブな感じがする。

21個もあれば一つくらいは得意な技術も見つかりそうだし、少しずつそれを増やしていけば良いのだと思う。困難な状況に遭遇したら勢いで反応せずに、まずはこの本で書かれたことを思い出して対処できる余裕を持ちたい